ランプレンカプセルって何の薬?

先日、ランプレンカプセルというお薬の処方箋(呼吸器内科)を持参された患者様がおられました。

添付文書で適応症を調べてみると、ハンセン病との記載がありました。

ハンセン病の患者様ではなさそうでしたので、???となり調べてみました。

ハンセン病とは

まずハンセン病とは、らい菌と呼ばれる細菌感染により、皮膚や末梢神経障害を引き起こす病気です。

ハンセン病は、かつての日本では、感染力の強い病気と誤解され、一般社会から隔離する法律により、ハンセン病患者は、療養所に強制入所され生活していました。また、皮膚がただれたり、手足の変形などで見た目の影響で、差別や偏見の対象になる事がたくさんありました。

現在では、感染力がとても弱いことが分かり、また有効な治療法の確立により、隔離政策の法律は廃止されています。

肺MAC症とは

ハンセン病に対する処方ではなさそうであったので、患者様に病名について確認させていただいたところ、非結核性抗酸菌症の肺MAC症(Mycobacterium avium complex)に対する処方であることが判明しました。

肺MAC症とは、結核によく似た菌の感染症で中高年の女性に急増している、進行性の病気です。結核とは異なり、人から人へは感染しません。

治療方法は確立されていませんが、比較的ゆっくりと進行する病気で軽症の場合は経過観察をする事もあります。CAM(クラリスロマイシン)、EB(エタンブトール)、RFP(リファンピシン)の多剤併用療法が標準治療となり、少なくとも2~3年続ける必要があります。

病態が強い場合は、初期にSM(ストレプトマイシン)、KM(カナマイシン)の点滴・注射の併用や、難治性の場合は、AMK(アミカシン)の吸入療法を追加する事もあります。

ランプレンカプセルについて

製品名:ランプレンカプセル

一般名:クロファジミン(CFZ)

適応症:ハンセン病

留意点:消化管からの吸収促進を図るため食直後に服用。又は、食事・ミルク等とともに服用する。

副作用:皮膚の着色。可逆的であるが、中止後消失までに数か月~数年かかる。

皮膚の着色は日光の暴露によって濃くなる事が報告されている。その他、QT延長など。

    

肺MAC症に対するランプレンカプセルの位置づけ

日本結核・非結核抗酸菌症学会の、成人非結核性抗酸菌化学療法に関する見解(2023年改訂)によると…

肺MAC症の標準治療は、先述した通りクラリスロマイシン等のマクロライドを中心とした3剤併用療法となる。しかし、重症・難治例や治療の長期化に伴う副作用やマクロライド耐性化が問題となる事があり、クロファミジンはその際の選択肢の一つと成り得るとの記載がありました。

添付文書には適応がない適応外使用にはなりますが、2021年3月に社会保険支払基金から、クロファジミンに対する肺MAC症に対して公知申請が認められている様です。

今後の服薬フォローについて

現在の処方は、クラリスロマイシン、リファンピシン、ランプレンカプセル、おそらくアミカシン?の注射(注射の治療もしているが、薬品名は分からないとの事)、エタンブトール。

添付文書では、ランプレンカプセルの皮膚着色の副作用が、結果的に抑うつ症状を引き起こす可能性も指摘されており、日光の暴露を控えていただく点や、時間はかかるが治療が終了したら皮膚着色が消失していく点についても情報提供し、引き続きフォローが必要だと感じました。

さらに、重症化や耐性菌の問題も考慮し、きっちり内服を継続できるように服薬フォローを継続したいです。

参考文献

・ランプレンカプセル添付文書

・日本結核・非結核抗酸菌症学会:「成人非結核性抗酸菌化学療法い関する見解(2023年改訂)」

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