ノベルジンについて
ノベルジンは、一般名が酢酸亜鉛水和物で、
亜鉛欠乏に伴う味覚異常などに対して、亜鉛の補充目的で、処方される事があります。
添付文書を拝見すると、低亜鉛血症とウィルソン病の2つに適応がある様で、
用法がそれぞれ、低亜鉛血症では食後、ウィルソン病では食間に投与する事となっています。
低亜鉛血症では食後投与である理由
空腹時の投与により、胃腸障害(悪心、嘔吐など)の報告があるため。
酢酸亜鉛の胃粘膜刺激作用による、胃腸障害の副作用発現防止を優先して、食後投与となっている様です。
~インタビューフォームの使用成績調査の報告では~
食後投与の低亜鉛血症での結果では、悪心が1.4%(13/928例)であるのに対して、
食間投与のウィルソン病での結果では、悪心11.9%(84/707例)と高くなっていました。
ウィルソン病では食間投与である理由
ノベルジンの吸収が、食物による影響を受けない様にするため。
疾患の重篤性から、薬剤の効果を最大化するため、食間投与となっている。
~ウィルソン病の病態について~
体内に銅が蓄積する事により、脳・肝臓・腎臓・眼などが冒される病気。
遺伝性の代謝疾患で、銅のキレート薬の服用と、銅を多く含む食事の制限が主な治療法として確立されている。
一生涯にわたって、銅のキレート薬を飲み続けなければならず、安全性の高い亜鉛製剤が汎用。
まとめ
低亜鉛血症では、胃腸障害の副作用を優先して食後投与に、
ウィルソン病では、治療効果の最大化を優先して食間投与となっている。
(もちろん、臨床試験で低亜鉛血症の食後投与での効果も確認されています。)
参考文献
・ノベルジンインタビューフォーム
・ノーベルファームホームページ
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